外国人を取締役にするには?

 会社の代表取締役のうち、最低1人は日本に住所を有していなければならない、という従前の取扱いは平成27年3月16日をもって廃止され、現在は代表取締役の全員が日本に住所を有しない株式会社の設立登記及び代表取締役の就任の登記申請が受理される取扱いになりました。そのため、海外居住の方が代表取締役になったり、取締役全員が外国人である会社設立や役員変更登記の依頼を受けることが多くなりました。
 
 取締役会設置会社の代表取締役の就任にかかる登記申請には、就任される方の就任承諾書に印鑑証明書を添付しますが、韓国・台湾以外の外国人の方は署名証明書(署名が本人のものであることについて本国官憲が作成した証明書)を添付して登記をすることになります。署名証明書については3ヶ月以内という有効期限はありませんので、それ以上前に作成された署名証明書でも利用できます。本国官憲については、以前は本国以外の居住国の官憲は含まれませんでしたが、当該外国人が居住する国等に所在する当該外国人の本国官憲が作成したもので差し支えないという取扱いに変更されました。従って、フィリピン在住の米国人の場合、フィリピンにある米国大使館の作成した署名証明書でよいことになります。
 
 また、新たに取締役が就任する場合、当該取締役の本人確認証明書が必要になります。当該取締役が日本人であれば住民票の写し等が該当しますが、海外居住の外国人の場合には利用することができません。この場合は、外国官憲の作成に係る取締役等の氏名及び住所が記載された証明書(宣誓供述証明書を含む。)のほか、外国官憲の発行に係る身分証明書等(住所の記載があるもの)のコピーに「原本に相違ない」旨を記載して、署名又は記名押印したものが本人確認証明書に該当する、とされています。例えば、中国では居民身分証、台湾では国民身分証、アメリカでは社会保障カードや運転免許証などが身分証明書等に該当します。

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