将来発生する養育費

 

通常は過去に発生した債権に対してしか強制執行(裁判所に申立てをして合法的に相手の財産を差し押さえる手続)はできないのですが、将来発生する債権に対しても強制執行できる場合があります。その代表的なものとして、養育費をご紹介します。

 

養育費の将来請求の執行
離婚に伴う養育費の請求についても、過去に滞納された養育費のみならず、まだ期限の来ていない将来の養育費の請求ができます。養育費については、離婚の調停調書や、公正証書を作成して取り決めをしたにもかかわらず、相手がその支払いをしないことが多々あります。

 

これについては、法律で「その一部に不履行があるときは、…当該定期金債権のうち確定期限が到来していないものについても、債権執行を開始することができる。」とされており(民事執行法第151条の2)、過去の滞納された養育費のみならず、今後毎月発生する将来の養育費についても、養育費の支払時期が到来した後に支給されるべき相手方の毎月の給料等の継続的な収入を差し押さえることができます(債権差押手続)。

 

なお、通常の債権差押手続では毎月の給料(所得税等の控除後)の原則として4分の1までしか差押ができませんが、養育費の請求についての債権差押手続の場合は毎月の給料(所得税等の控除後)の原則として2分の1まで差し押さえができ、優遇されています。

 

例えば、離婚公正証書で子どもの養育費を満二十歳になるまで毎月3万円と定め、子どもが15歳の誕生月まで養育費の支払いがあったにもかかわらず、その翌月から滞納が3ヶ月生じた場合、滞納の3ヶ月分の養育費のみならず、満二十歳になるまでの残り全額について差押が可能になります。といっても、直ちに全額をすぐに回収できるのではなく、あくまで毎月の給料の原則として2分の1ずつしか回収でません。

 

養育費の支払いが滞ることは、子どもの将来にも大きく関わる問題です。一人で悩まずにぜひご相談ください。

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