将来発生するマンション管理費

 

通常は過去に発生した債権に対してしか強制執行(裁判所に申立てをして合法的に相手の財産を差し押さえる手続)はできないのですが、将来発生する債権に対しても強制執行できる場合があります。その代表的なものとして、マンション管理費をご紹介します。

 

1.将来のマンション管理費は請求できる?

 

管理組合は管理費の請求を怠ったままにしておくと、5年で消滅時効によって請求ができなくなります。そこで、早めに訴訟を提起して回収を図る必要があります。訴訟提起して勝訴判決が確定すれば、消滅時効の期間は判決確定のときから10年に延長されます。

 

さらに、勝訴判決が出たにもかかわらず滞納者が支払いをしない場合には、強制執行をして滞納者の財産(例えば、預貯金・給料など)を差し押さえ、強制的に回収することが可能です(但し、現実に回収できるかどうかは別問題です)。残念なことに往々にして、管理費の滞納は繰り返されます。月々の管理費等が滞納になった都度、繰り返し訴訟を提起することは、管理組合にとっては大きな負担となります。

 

ところが、すでに発生した過去の管理費等の滞納額のみならず、今後発生する将来(区分所有権を失うまで)の管理費等もすでに発生した過去の滞納額とまとめて訴訟で請求することができれば、一度で済めばとても便利ですね。

 

民事訴訟法第135条では「将来の給付を求める訴えは、あらかじめその請求をする必要がある場合に限り、提起することができる」とあり、裁判例によると、主に以下の①~③の要素を判断材料として、将来の滞納額の請求も認めているものと考えられます。

 

つまり、①過去の滞納期間(過去の滞納期間が長期間にわたるほど認められやすい)、②過去の滞納の有無及びその際の被告の態度(過去に滞納を繰り返し、その際に支払拒否の意思が強いほど認められやすい)、③当該訴訟における被告の態度(訴訟提起したにもかかわらず裁判所に出頭しないなど支払拒絶の意思が強いほど認められやすい)。

 

もちろん、①~③の要素だけでなく、滞納額が管理費等の全体に占める割合などやその他の事情も総合的に考慮し、最終的にはケースバイケースで裁判所が判断することになりますが、悪質な滞納者がいらっしゃる管理組合の方はご検討されてみてはいかがでしょうか。

生活のトラブルに戻る  |